【小説】真夜中販売機

眠くて暇だから小説を書こうと思う。

ちょっとホラー要素入ってます。苦手な人はやめたほうがいいかも。

 

 

「真夜中販売機」

 

商店街の真ん中にある自動販売機は

夜になるとかどうし始めるという。

商店街の店が全部シャッターを下ろしてその後光を灯す。

 

だからみんな真夜中販売機と呼んでる。

商店街が静まり返るのは夜で真夜中しかつかないから。

誰が管理してて、どうして真夜中かは誰もわからない。

 

きっと商店街のおじちゃんの誰か知ってるだろうと思うけど

どのおじちゃんに聞いても「あれは俺がここで店構える前からあるんさ」とみんな答える。

 

おじちゃんたちは50代の人が多い。

そうなるとその自動販売機は20年以上前から稼働し続けていることになる。

 

 

なぜかって?おじちゃんたちが店を構え始めるのが30歳前後からだから。

大体、田舎なんかやったられるかよ、なんてでていくけど10年かそこらでみーんな帰ってくる。

やっぱり田舎が一番だなんて言って。

 

 

それでなんたかた60歳近くまで店やって、

それ終わったら店畳んで次また都会から帰ってきた30歳が店を開く。

 

最高齢のおじちゃんで52歳だけど

そのおじちゃんですらそれの存在はよくわかってなかった。

 

 

真夜中販売機はすっかり色あせて、町中に並ぶ真っ赤な販売機に比べりゃ

全く存在感はない。

 

それに、商店街が賑わっているときは電源が切られているから

尚更存在感はない。

 

 

そこにあるのは当たり前にあるから誰も触れない。

けど真夜中販売機はおかしな点がある。

 

20年以上も前だけど、ルーレット式になっている。

どういうことかと言うと、ほらたまにあるじゃん

ルーレットで数字が揃うともう一本って。

あれ案外揃わないもんで

真夜中販売機にも同じく「ルーレットがあります」って書いてある。

 

だから、もう一本出てくるんだろうなあと思う。

 

一体そんな昔にルーレットのしくみなんて思いついたのは誰だよ

そんな知恵があるなら商店街の活性化で使えばよかったのになんて思う。

 

例えばさ、商店街のガラポン。

あれ一列一列並ぶのめんどくさいじゃん。

意外と回して出るまで時間がかかるもんだから行列ができるんだよ。

 

あんなのルーレットにしちゃって

ボタン押してパーってやれば商店街の回転率が早くなるし

わざわざリンリンリンって鐘鳴らす役割の人を雇ってやらなくて済む。

 

けど、どうせあれはな、醍醐味なんだよって言いたいんでしょ。

 

じゃあ、ここの商店街の混み具合知ってる?

全然ガラガラなんだよ。ガラポンだけにガラガラポンポンなわけ。

 

それなのに店ばっかり増えちゃってさ。

よくみんな店が潰れないなあと思う。

 

不思議なことにこれまたおじちゃんたちは声を揃えて言うんだよ

「ここは絶対潰れんよ。あんま売れてない思うやろ、けど案外売れてるんだよ俺らもあった記憶とか忙しくて吹っ飛んでるのかも知んねえけどよ朝になると商品減ってんだ。お金は増えて」

 

 

変なの。

勝手にものが消えてお金が増えるわけないのに。

けど、こんなガラガラなのに潰れないもんだから信じちゃいそうだけど。

 

 

そうそう、それと変な決まりがあってさ

ここは夜中近づいちゃいけないんだって。

昔からの掟で近づいたらダメってどう言うこと?って思うけど

やっぱり近づいたらダメなんだって。

 

おじちゃんたちもギリギリの生活だし掟破って仕事なくなったらあがったりだから

よくはわからないけど、近づくなって昔からの決まりだから従ってるって。

 

僕もどうせ将来ここの商店街で働くことになるだろうし仕方がないから

そのよくわからない決まりに従ってる。

 

 

 

で、ここまで話したけど真夜中販売機さ

僕動いているところは見たことないんだ。

周りにも動いてるのを見たことあるって人がいないの。

 

ただ、なんで真夜中に販売機が動いてるか知ってるかって言うとね

昔一人だけその掟を破った人がいるんだって、で、その人が真夜中に販売機が動いてたって言ったんだって。

 

けど言った次の日からその人は消えたって。

 

街の人は掟を破ったから神隠しだとかなんだの言ってる。

それで真夜中販売機はただの販売機じゃなくて

「呪いの真夜中販売機」って実は影で呼ばれてる。

 

だから正直怖い。

一体真夜中販売機はなんで真夜中に動くんだろうね。

まあ、もうそんなことはいいや、そろそろ真夜中販売機が動く時間、僕は眠くなってきたから眠ろう。おやすみ。

 

 

 

 

 

その夜。

いつものように真夜中販売機は電気がつく。

 

 

そしてみんなが寝静まったとともに

商店街は開かれる。

 

 

「へい、いらっしゃい。朝に取れたもんだから時間も経ったし安くしとくよ」

 

ガラガラポンポンな商店街はまたたくまに賑やかな商店街へと早変わり。

 

 

「じゃあこのアジ!アジ安く売っておくれ」

 

毎度あり。

 

 

そんな言葉を交わす妖怪達で埋め尽くされる。

真夜中の商店街は妖怪達が運営している。

 

だから昼間売れ残った分は夜に妖怪達が買っていく。

そして次の日の人間の売り上げになる。

 

 

妖怪達はお腹を空かせるけど餌を手に入れられない。そのすべを知らない。

だからこうやって人間達が売るものを買っては生きている。

 

人間達は食べ物を売る

妖怪達は沢山買う

 

そうやって互いの需要と供給を満たしている。

 

 

 

さーて、今日の販売機はどうかなあ。

 

チャリン

 

ガコンという音とともに飲み物が落ちる、そしてルーレットが回る。

 

 

7777

 

 

「お、みんな揃ったぞ!今回はどんなやつだろうな」

 

 

 

そして飲み物が落ちる入り口から煙が出てくる、そしてそこらじゅう瞬く間に煙で覆われる。

 

そしてその煙が消えた時、それは現れる。

 

 

「みなさん初めまして、新入りです」

 

 

ルーレットが揃うことで新しい妖怪がまた生まれる。

だから商店街はまた儲かる。

ずっと潰れることはない。

 

 

 

ただ、これは大昔に交わされた、ある人間と妖怪の契りである。

 

 

だから掟を破った人間は、、、

 

 

 

 

おわり